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最後はGH(ナル+麻衣)


 


<結局は>



「ぬぅっ......お、重ぃ....」
渋谷、道玄坂を一人の少女が汗を流して歩く。
その細い腕のどこにそんな力があるのか、大量の本を抱えている。
「麻衣?」
「....へ? あ、ナル。どっか行くの?」
「否これから帰る」
「ラッキー♪ じゃぁ、コレ持って.......」
大量の本の一部を持たせようと瞳を輝かせた麻衣。
ナルから一瞬目を離し、荷物を渡そうと手を伸ばせば、ナルの姿は既に遥か前方に.....
しばし呆然と佇む麻衣。
沸々と湧き出る怒りに麻衣は今までより足を速めた。



「アンタ、自分の本でしょうがっ!!」
ダンっ!!! と所長室に取りに行った本を叩き付けた麻衣。
暑いし!重いし!疲れたし!!!と叫ぶがナルは気にもしない。
「それがお前の仕事だろう」
「ぐっ....ち、ちょっとぐらい手伝ってやろうって気は無いのかいっ!?」
「なぜ僕が?」
「..........」
そーだったね、そーいう奴だよねアンタって。
思わず遠い目をしてしまう麻衣。
遠くに意識を飛ばした麻衣を他所にナルは本の世界へと戻る。
はぁ....と大きく息を吐いた麻衣はこれ以上ナルに何を言っても無駄だと踵を返す。


「麻衣、お茶」


........ぞーきんの汁入れちゃろか
口元を引き攣らせた麻衣は、ワザと バタンっっ!! と大きく音を立てて所長室の扉を閉めた。




お題配布元『VOID

 

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