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調査もの書いてて行き詰まって息抜きに書いた代物。
本国ナル麻衣第三者視点


 

博士と博士のコイビト
 
 
 
「こんにちはー!」
 元気いっぱいの声が聞こえた私は、パソコンの画面に向けていた目を扉の方へ向けた。そこには予想通り、先日同僚となった日本人の少女が居た。
「おはようマイ。今日は遅い出勤なのね?」
「おはようセシア。アタシ今日休みだから仕事に来たんじゃないんだ」
「休みの日にラボに来るなんてマイ、あなた博士に似てきたんじゃない?」
 私の言葉にマイと私たちの会話を聞いていた同僚たちが一瞬きょとんとした後、爆笑した。だって博士様は休みなんてあったもんじゃないんだもの。
「セシアってば酷い!あんな研究馬鹿と一緒にしないでよ!」
 もう!と言葉では怒っているが、マイの目は笑ったままだ。
「ごめんなさい。博士にご用かしら?」
「そう、お昼ご飯食べに行くの!」
 えへへと笑う麻衣はとっても可愛い。私たちの頬も自然と緩む。そんな中ルイスが興味津々に訊ねる。
「お昼にはちょっと遅いけど、どこに行くか決めてるのかい?」
「公園の近くにあるカフェ!」
 麻衣の言葉に何人かが「あぁ」と頷く。確か新しくできた可愛いカフェだったはず……………博士には似合わなさそうだわと思った事は秘密だ。
「結構人気でランチタイムは混んでるとこだよね?あぁ、だからこの時間からなのか」
「そう。人いっぱいだとそれだけで引き返されそうでしょ?」
 ………………思わず、店の前で回れ右する博士を想像してしまった。でも麻衣と一緒なら無理矢理引き摺られて入りそうな気もする。そんな事を考えていたら、後ろの扉が開いて私は飛び上がった。
「あ、ナルおはよー!」
 固まった私たちとは裏腹に麻衣は笑顔のまま博士に話し掛ける。一瞬向けられた博士の瞳にビクビクしつつ私たちはさり気なく仕事に戻る。ここで麻衣と会話を続ける勇気は誰も持ち合わせていない。しかし彼らの会話は聞いてて楽しいので、皆聞き耳を立てている。
「凄い!ナルがご飯覚えてたんだね!!」
「朝あれだけ言われればな」
「普通は言われなくても忘れ無いの!ま、今日は覚えてたみたいだし良いや」
 どうやら約束の時間にちゃんと博士が部屋から出て来た事を麻衣が喜んでいるらしい。溜め息を吐く博士の腕に麻衣がしがみ付くと、そのまま2人連れ立ってラボを出て行った。
「麻衣が隣りに居ると博士が普通の人に見えるわ」
「「同感」」
 思わずポロッと出てしまった言葉に同僚たちが頷く。そして私たちは顔を見合わせて笑った。
 

 

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