こっそり茶 その１３

 　
掲載できていなかった小話をUP♪
GH（リンナルにつき注意）

 　

＜知られたくない＞


「ナル」
「．．．．．．何か用か？」
「用が無いと、来てはいけませんか？」

どこか窺うように聞いてしまうのは、一度も視線を向けてはくれないから
今もカタカタとキーボードを鳴らし、論文でも書いているのだろう
一体その思考の何％が自分に向けられているのか
はぁ．．．．お茶でも飲もう
かって知ったる他人の家
本当は青茶（チャンチャ）が飲みたいが
ここにそんなものが有るわけがないので紅茶を淹れる
これならナルも飲むだろうし．．．．．．

カップを持って書斎へ戻れば先程を同じ体勢でパソコンに向かうナル


「お茶飲みませんか？」


一応声を掛けるがやはり反応は無い



「あんまり構ってくれないと押し倒しますよ」


やけくそな気持ちで呟いてみる
きっとコレにも反応は返してくれないのだろう
いっそ本気で押し倒してやろうか？
沸々と沸き上がって来る苛立ちを紅茶と共に流し込む
少し乱暴にカップを机に戻す




「別に構わない」



は？
そ、それは一体どこに掛かるんですか、ナル！！？

お題配布元『VOID』