◆キリリク「触れて良いのはアナタだけ」つづき◆

 　
ユエ様のコメントにより妄想が溢れ出したので、お裾分け。
先に、１万☆祝リク第三弾をお読み下さい。

 　

いきなり抱き締められた麻衣。
驚いて身を捩るが男の力に敵う訳がなく腕は緩まない。


「は、放して！！」

「谷山さん！あ、あの．．．僕と！」


やっとの思いで告白しようとした男は、次の瞬間、激しい腕の痛みに見舞われた。


「痛っ！何をするんだ！！」


驚き振り返れば突き刺す様な瞳で睨みつける青年がひとり。
片腕で男の腕を捻り上げ、もう片方の腕で麻衣を男の腕の中から奪還している。
男は青年のその容姿に見覚えがあった。


「 ．．．．き、君はミスコンの時の」


「僕のモノに手を出そうなんて良い度胸してるじゃないか？」


生きとし生けるもの全てが凍り付くような声音に男の背筋に氷塊が走る。
しかし、直ぐ傍に好きな子が居るのに無様な姿は見せられない。
そんな嘆かわしい思いから身を奮い立たせる。


「た、た、谷山さんは物じゃ無い！！
 　それに、君なんかより僕の方が彼女の事を愛してる！！」


ビシっと宣言した男。
しかし、今まで激しい怒りを醸し出していた青年は、その言葉に
悠然とした笑みを口元に浮かべた。



「それが、一体？」

「なっ！」


さらに言い募ろうとする男を視線だけで制し青年は続ける。





「麻衣が好きなのは僕だ」